フジパントップページ > フジパンと はぐくむ > 民話の部屋 > 山形
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むかし、むかし、正直な爺(じ)んつぁと婆(ば)んちゃいだっけど。
ほうしてある時、畑さ稼(かせ)ぎに行くべと思ったれば、白い犬コ、はぁ捨(す)てらっで、
ひんひん、ひんひんで、尻尾(しっぽ)、股(また)さはさんで泣いだんだけど。
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むかし、あったけど。
村の爺(じ)さま、山ん中で働いてたけど。
暗くなってきて、爺さま道に踏み迷って、困っていると、向こうの方に灯(ひ)がテカン、テカン、と見えるんだと。その灯、頼(たよ)りにたどり着いてみると、山ん中の一軒屋に、とでもきれいな姉こ一人いたなだど。
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むかし、むかし、とんと昔。
山形県の小国郷(おぐにごう)の雪野っ原(ゆきのっぱら)に、東の家と西の家の二軒の家があったと。
吹雪(ふぶき)がヒュウヒュウ吹く夜のこと、どこからか白い衣(ころも)を着た女が一人やってきて、東の家の戸を叩(たた)いた。
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むかしむかし、ある村に東の家と西の家とがあったと。
東の家は長者どので、大っきな屋敷(やしき)に蔵(くら)もあり、子沢山(こだくさん)だったと。
西の家は貧乏(びんぼう)どので、小っさな家に爺(じい)さと婆(ばあ)さの二人っきりだったと。
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正月七日には七草粥(ななくさがゆ)を食べるもんだけド。
むかし、ある人が、なんだかみんな年取っていくのが不思議で、
どうしてだべて考えだれば、夜、枕神(まくらがみ)立って、
唐(から)の国から、大和(やまと)の国から、鳥飛んできて
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むかし、あるところにひとりの貧(まず)しい若者がおったそうな。
ある日、若者は小銭を少しばかり持って、塩を買いに町へ出かけたと。
すると、その途中の道で、子供たちが蜂(はち)を捕(つか)まえて、その尻(しり)に糸を結びつけてブンブン飛ばして遊んでいるのに出会った。
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むがし むがし。
あるところに、爺っちゃと婆っちゃと居てあったど。
爺っちゃ 山さ芝刈(しばか)りに、婆っちゃ 川さ洗濯に行ったど。
そしたら、川上(かわかみ)から箱っコ流れて来だど。
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むかし、ある山小屋に樵(きこり)が一人で住んでおったと。
ある日のこと木を伐(き)りに山を登って行くと、山鳥がけたたましい声で騒(さわ)いでいた。樵は、妙だな、と思って声のするあたりを見あげると、岩の上にある巣の中に山鳥が二羽いて、何かに狙われているようだと。
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むかし、あるところに大分限者(おおぶげんしゃ)がおって、ひとり娘に聟(むこ)をとることになったと。
聟は村の衆から選ぶことになって、村中に高札をたてたと。
「自選他選を問わず。われこそはと思う者来(こ)られたし。来た者には金一分(きんいちぶ)をあげます」
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昔(むがす)、あるどこさ、屁(へ)っぴり姉(あね)コ居(え)だけド。
嫁(よめ)さ行ぐどき、親達(おやだつ)がら、
「お前(め)の屁っコァ、並はずれで大(で)っかいがら、屁っコひる時ァ不調法(ぶちょうほ)すねよに、良ぐ気ィつける事(ごん)だえ」
って、教(おせ)らって行ったけド。
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むかし、ある秋のいい日和(ひより)のこと、貧しいひとりの若者が、小銭を持って塩を買いに出かけたと。
すると、その途中(とちゅう)で、子供たちが蜂(はち)を捕(つか)まえて、その尻に糸を結(ゆ)わえて、ブンブンと飛ばして遊んでいた。若者は、
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むかしむかし、あるところに長者殿と貧乏な爺さ婆さとが隣あってあったと。
両方の家にネズミがいたと。
長者殿のネズミはまるまると太り、爺さ婆さのネズミはやせネズミだったと。
あるとき、爺さ婆さの家の天井裏から、ドッコイ、ドッコイと声がしたので、爺さがのぞいてみたら、長者殿のネズミと爺さ婆さとこのネズミがスモウをとっていた。爺さ婆さとこのやせネズミがころころと転がされていたと。
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昔、あるところに爺さがおったと。
爺さ、山に焼畑(やきはた)に行ったと。
四隅(しすみ)を畝(うな)い、木組(きぐみ)をして焼き飯を供(そな)え、山の神にお祈りをしてから、草に火をつけた。
そしたら、ネズミが穴からぞろぞろ、ぞろぞろ出てきた。その一匹一匹が一枚ずつ小判を咥(くわ)えていて、金干したと。
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むかし、あるところに猫絵十兵衛(ねこえじゅうべえ)という飴(あめ)売りがおったそうな。
十兵衛は猫の絵を書くのが大層うまくて、画かれた絵の猫は、どれもこれもが今にもニャーゴと鳴いて動き出しそうなほどだったと。
あるとき十兵衛は、飴を売りながら村々を歩いているうちに、ふいに、妙な屋敷街(やしきまち)に入り込んだと。
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むかし、
ある山の中に、二つの泥棒村があったと。
上(かみ)の村には泥棒が百人、下(しも)の村にも泥棒が百人住んでおったと。
あるとき、上の村の泥棒たちが、お城の宝物を、たーんと盗んで来た。
それを聞いた下の村の泥棒たちは、
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むかし、むかし、あるところに貧乏(びんぼう)な正直男(しょうじきおとこ)があった。働き者で、働いて働いて働いたけど、いつまで経(た)っても、暮らし向きはちいっともよくならない。それでも病気だけはしたことが無(な)かった。男は、
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むかしあったけど。
ある夏の日盛(ひざか)りに、旅人(たびびと)が道をとぼとぼ歩いて行くと、檻(おり)に入った虎(とら)がいたっけど。
知らんぷりして通り過ぎようとしたら、哀(あわ)れっぽい声で言うんだと。
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むかしとんとんあったんだけど。
ある村で、くる日もくる日も雨降らねで、どこの家でも大根、白菜(しろな)、な
んだて野菜もの蒔(ま)いたげんど、ほとんど出ね。
「困ったこと始まった。こりゃ、大根餓死(だいこんがし)だ、今年ぁ野菜餓死だ」
ほだいしているうちに、与助さんの家だけ大根一本出たんだど。
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むかし、むかし、秀吉(ひでよし)の時代に新左衛門(しんざえもん)ていう刀の鞘師(さやし)いだったど。
新左衛門がこしらえる鞘は、刀がソロリ、ソロリと抜けて、まごとに具合(ぐあい)がええ。天下一の名人だていうなで、誰しも新左衛門のことを、曽呂利(そろり)、曽呂利、と呼ぶようになって、いつの間にか曽呂利新左衛門(そろりしんざえもん)と名がついだと。
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むかし、あるところに貧乏な夫(とと)と妻(かか)があったと。
二人は、朝は朝星(あさぼし)の出ているうちに畑へ行き、夜は夜星(よぼし)をながめながら帰ってくる毎日だったが、なんぼ働いても暮らしは楽にならなかったと。
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昔、あるところに運の悪い男がおったと。
ある年(とし)の瀬(せ)に、男は隣り村へ用足しに行って帰りが夜中になったと。
林の中の道を、木がざわざわするたんびに立ち止まり立ち止まりして歩いて来たら、向こうの木の株に黒い着物の年寄りが腰掛けておったと。
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むかし、あったけど。
むかしあるところに爺と婆がおったと。
爺と婆には子供がなかったと。それで、村の鎮守様(ちんじゅさま)へ、
「子供を授けてくれろ」
と、お願いしていたら、ある日、鎮守様のお堂の前に捨て子が置かれてあったと。
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昔、あるところに爺(じ)さまがあったと。
秋祭がきて、町(まち)に市(いち)が立った。爺さま買い物に出かけたと。
町ではピーヒャラ、ドンドンと笛太鼓が鳴り響き、浴衣(ゆかた)に下駄(げた)履(ば)きの人達が晴れやかな顔して、あの店、この店をひやかしている。賑やかだと。
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さる昔、あったけド。
あるところさ、三人の娘持った長者爺様あったけド。
あるとき、千刈(せんかり)り田(だ)さ水コ見に行って見っと、カラカラに干上(ひあ)がってだけど。爺様ァ困っで、
「この千刈り田さ水コかけで呉(け)た者さ、娘三人の内どれか一人嫁コに呉れてもええがなァ」
って、独言(ひとりごと)いっだけド。
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むかし、あったけど。
むかし、あるところに爺さがおって、白い餅(もち)が大好きだったと。
この爺さが川辺りの畑に畑仕事に行ったときのことだ。
昼げに持って行った白い餅を、口のまわり真っ白にして食べて昼寝しとったと。
そしたら、そこに、猿がたくさん来たと。
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むかし、ひとりの侍が旅をしていて、山の中で日が暮れてしまったと。
真っ暗な山の中を、あっち行き、こっち行きして、ようやく一軒の山家(やまが)が見つかった。
戸を叩(たた)いたら、中から、
「戸は開きますで」と、爺(じい)さんの声がした。
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とんと昔、
あるところにオドとカカがあったと。
初児(はつご)子のお産が始まって、カカがウンウン唸(うな)っているそばで、オドは気ぃもめて気ぃもめてならない。
「オレ、産神様(うぶがみさま)を迎えに行って来る」
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むかし、むかし、あったと。
ある春先(はるさき)のうららかな日。
縁側(えんがわ)で婆(ばあ)が爺(じい)の足の爪(つめ)を切ってやり、そばでは猫が大(おお)あくびだ。
空の雲の上でも、そっち眺(なが)め、こっち眺めしていた雷(かみなり)さま、あんまり温(ぬく)くて気持ちいいもんだから、つい、こっくりこっくり、鼻ちょうちんだと。
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むがし、むがし、いつの頃だが知らねけどあったけど。
殿様が、世間の人々を悩ませで面白がっていたど。
あるどき、染物たのみだ、といって、一番上手な染物屋に、真白い絹の反物をひとつ、染めに出したけど。
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むかし、むかし、あるところに韋駄天(いだてん)走(ばし)りの男があった。
平地はもとより、山に入ってもキジを獲ったり、兎を獲ったり、ものすごく足が速いのだと。走るというより、跳ねてるという方が当たっているぐらいだと。誰れ言うとなく、
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昔、あるところに一人の爺様(じさま)がおって、前千刈(まえせんか)り、裏千刈(うらせんか)りの田地(でんち)を持っておったと。
その爺さまに一人の気だてのいい娘がいたと。
娘は毎日、鍋釜(なべかま)を井戸で洗うのだが、そのたびに、井戸に住みついた沢蟹に、洗い落としたご飯粒を与えて可愛がっていたと。
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昔、あるところに蓮(はす)の葉がいっぱい植(うわ)っている池があって、蛙が一匹おったと。
蛙は蓮の葉でお寺を建てて、そこで毎日毎日、ゲエロゲエロとお経を詠(よ)んでいたと。
ある朝、蛙が、
「蓮の花、今日はなんぼ咲くかなあ、咲いた数だけ弔(とむら)いせにゃならんから、あんまり咲いて欲しくないなあ」
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むかし。山形のある村に、金蔵さんという、人は良いが、貧しい男がおったそうな。
正月の十五日の晩のこと、一寝むりして目を覚すと、急に便所へ行きたくなった。
「おー、さぶい、さぶい。こんなさぶい夜に便所へ行くのはいやじゃのう」
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昔トントのまた昔。
あるところに貧乏な家があって、爺(じ)さまと婆さまが暮らしておったと。
ある冬の吹雪の夜、
「ごめんなんしょ」
って、戸を開けて入って来たものがあった。
「こんな夜に誰だべ」
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昔あったけど。
昔あるところにな、お茶屋あったけど。
きれいだ姉さんが毎朝のように五文価(ごもんあたい)ずつお茶買いに来るじょんな。
番頭は不思議に思て、あるとき、そのあとさついて行ってみだ。長い野原を通って林の中にはいって行ったれば、りっぱな御殿があったけど。
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昔々、因幡(いなば)の国に白い兎がいたそうな。
毎日浜辺にやって来ては、
「何とかして、海渡って向こう岸さ行ってみてえなあ。んだげんども俺(お)ら泳がんねえし、海には何がいるか分(わ)がんねえから、途中で殺されっかわかんね。何とか無事に向こうさ行ぐ工夫ないべか」
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一休和尚さんは、小僧さんのころからとても頓智(とんち)にたけたおひとだった。
まだほんの小僧さんなのに、大人(おとな)のけんかを頓智でまるくおさめたり、身分(みぶん)をかさにきていばっていたりしていると頓智でギャフンといわせたりするものだから、一休さんの人気はうなぎのぼりに高まったと。
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※音声をお聞きになる際、始まるまでしばらくお時間が掛かる場合がございます。
※音声と文字は一部表記の異なる部分がありますが、ご容赦下さい。
語り:井上 瑤/平辻 朝子
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