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こさじ
『小佐次』

― 秋田県 ―
再話 今村 義孝
語り 井上 瑤
提供 フジパン株式会社

 昔、あったずもな。
 ある村さ歌よむ若(わげ)ぇ者(もん)いで、小佐次(こさじ)と言ったど。
 
小佐次挿絵:かわさき えり


 そこの村の庄屋(しょうや)の一人娘、病気になって、なんぼ医者さかげても良くならねぇで、とうとう息ひきとってしまったど。
 「あや、しかだねぇ。なんとしたばええべか。たれか生き返らせてくれだば、なんたぼうびも何でも呉(く)れるんて」
ど、庄屋の父(とう)さん、家の中さわいで歩いだど。医者も鍼師(はりし)も来たども、なんともならべがったど。

 そごさ、小佐次来たわけだ。して、
 「娘、からだ悪い風(ふ)だどもどんなあんべだか」
 「今、亡くなったどこだ」
 「んだか、おらにひとつ歌よませで呉(け)れな」
ど言ったば、もう誰さ頼んでも駄目(だめ)であった時なんで、庄屋の父さん、
 「いがべ、いがべ、やってみてけれ」
ど、頼んだど。


 小佐次、奥の娘寝せである座敷(ざしき)さ行って見たば、きれいだきれいだ布団(ふとん)着て、めんけぇ顔コして、眠ったように死んでだど。したば小佐次、
 
 〽天上の 天の河原に 水まして
 〽こさじと言って かえる我が君
 
ど、三べん詠(よ)んだば、娘、眼(まなぐ)しずかにあげて、
 「あぁ、寝だったなぁ、寝だったなぁ」
ど、布団の上さ起きあがったど。
 庄屋喜んで、
 「どうか娘の聟(むこ)さ、なってけれ」
ど願って、小佐次、娘の聟さ貰(もら)ったど。
これきって、とっぴんぱらりのぷう。

「小佐次」のみんなの声

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驚き

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