小佐次すごい僕のおばあちゃんも生き帰らせて欲しい ( 10歳未満 / 男性 )
― 秋田県 ―
再話 今村 義孝
語り 井上 瑤
提供 フジパン株式会社
昔、あったずもな。
ある村さ歌よむ若(わげ)ぇ者(もん)いで、小佐次(こさじ)と言ったど。
挿絵:かわさき えり
そこの村の庄屋(しょうや)の一人娘、病気になって、なんぼ医者さかげても良くならねぇで、とうとう息ひきとってしまったど。
「あや、しかだねぇ。なんとしたばええべか。たれか生き返らせてくれだば、なんたぼうびも何でも呉(く)れるんて」
ど、庄屋の父(とう)さん、家の中さわいで歩いだど。医者も鍼師(はりし)も来たども、なんともならべがったど。
そごさ、小佐次来たわけだ。して、
「娘、からだ悪い風(ふ)だどもどんなあんべだか」
「今、亡くなったどこだ」
「んだか、おらにひとつ歌よませで呉(け)れな」
ど言ったば、もう誰さ頼んでも駄目(だめ)であった時なんで、庄屋の父さん、
「いがべ、いがべ、やってみてけれ」
ど、頼んだど。
小佐次、奥の娘寝せである座敷(ざしき)さ行って見たば、きれいだきれいだ布団(ふとん)着て、めんけぇ顔コして、眠ったように死んでだど。したば小佐次、
〽天上の 天の河原に 水まして
〽こさじと言って かえる我が君
ど、三べん詠(よ)んだば、娘、眼(まなぐ)しずかにあげて、
「あぁ、寝だったなぁ、寝だったなぁ」
ど、布団の上さ起きあがったど。
庄屋喜んで、
「どうか娘の聟(むこ)さ、なってけれ」
ど願って、小佐次、娘の聟さ貰(もら)ったど。
これきって、とっぴんぱらりのぷう。
挿絵:かわさき えり
小佐次すごい僕のおばあちゃんも生き帰らせて欲しい ( 10歳未満 / 男性 )
昔、あるところに、それはそれは豪胆(ごうたん)な百合若大臣(ゆりわかだいじん)という武将(ぶしょう)があったと。百合若大臣は、ひとたび眠れば七日間も眠り続け、起きれば七日間も起き続けるという人であったと。
むがしあったぞん。あるところに善い爺ちゃと、婆ちゃといてあった。その隣にはひどく性骨の悪い爺と婆がいた。ある日、善い爺ちゃが山へ行って、ダンキダンキと柴を刈っていたら・・・
「小佐次」のみんなの声
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