※再生ボタンを押してから開始まで時間がかかる場合があります。音声が再生されない場合はこちらをご覧ください。

ゆきおんな
『雪女』

― 広島県 ―
再話 六渡 邦昭
語り 井上 瑤
提供 フジパン株式会社

 なんと昔あったげな。
 あるところに景色のいい若い衆(わかいし)があって、晩方、道を通りよったらな、きれいげな娘さんが道端(みちばた)に出とって、
 「ちょいとまあ、うちに泊まって」
言いますだってなあ。
「遅うなったけぇ、なら、泊まらしてもらうけえなぁ」
いうて、若い衆、泊まったと。

 
雪女挿絵:福本隆男


 そしたら、さあ夜さり(よふけ)、すうっと戸を開けて寒い寒い外へ出ますだげな、その娘。
 どげぇ行ってきたんだか、髪の毛をばあっと解いでしまって、さんばら髪に雪だか氷くずだか、夜目(よめ)にもキラキラいっぱいつけて帰ってきますだってなあ。


 それが、寒夜(さむよ)だっていうのに、二度三度出ますだってなぁ。
 若い衆、気になってならん。
 いっそ、まあ見たれぇ、思って、そのまあ見ましたげな、出て行くのを。
 そろりとあとぉつけていったところが、娘は川へ出て、髪の毛をさんばらにして水を被(かぶ)っていますだってなあ。
 
雪女挿絵:福本隆男


 そいで、あの、こうこりゃ恐(おそ)ろしいと思って、戻(もど)って布団(ふとん)をひっ被(かぶ)って、寝とりましたわな。
 そげんしたら、娘が戻ってきて、
 「見いたかぁ、見いたかぁ」
いうて、だんだん近づいて来ますだってなあ。
 雪女ちゅうもんは、水をじょう(たくさん)に飲まにゃいけん。それせんと、溶けるだ。
 ちゅうて、お爺(じい)さんが話して聞かしておられた。
 
 なんのむかしもけっちりこ。

「雪女」のみんなの声

〜あなたの感想をお寄せください〜

怖い

雪女怖すぎる

怖い

押し絵が寒気がするほど怖い

驚き

子どもの頃に聞いた内容と違っていて 初めて聞く「雪女」のお話でした。日本各地にいろんな雪女のお話があるんですね。興味深いです。( 50代 / 女性 )

もっと表示する
驚き

雪女の若い衆はどうなったのでしょうか?( 10代 / 女性 )

こんなおはなしも聴いてみませんか?

ネズミの彫りもの(ねずみのほりもの)

ネズミの彫りもの(ねずみのほりもの)

どんな時代、どこの町にも、一人や二人、必ず楽しい人物がいるものです。なまけ者であったり、おどけ者であったり。そのくせ、とっぴょうしもない智恵(ちえ)…

この昔話を聴く

継子と六月息子(ままことろくがつむすこ)

継子と六月息子(ままことろくがつむすこ)

むかし、あるところにお雪(ゆき)とお君(きみ)という二人の姉妹(しまい)があった。姉のお雪は先妻(せんさい)の子で、お君は後妻(ごさい)の子であった…

この昔話を聴く

牛と蛙(うしとかえる)

牛と蛙(うしとかえる)

 むかし、あるところに蛙(かえる)の親子が暮(く)らしておった。  ある日、子蛙が川っ端(ぱた)へ遊びに行ったら、一匹(いっぴき)の牛が草を食(は)んでいるのに行き逢(あ)った。

この昔話を聴く

現在853話掲載中!