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てんぐとおしし
『天狗とお獅子』

― 岩手県 ―
再話 藤沢 美雄
整理・加筆 六渡 邦昭
語り 井上 瑤
提供 フジパン株式会社

 むかし、むかし、あるところにお爺(じい)さんとお婆(ばあ)さんと、息子夫婦(むすこふうふ)と孫(まご)達がいだど。
 今日は、お爺さんが孫達と留守番(るすばん)をしていだど。
 縁側(えんがわ)でひなたぼっこしながら、孫達にとりまかれて、お爺さんは昔話っこを聞かせていだど。
 昔話っこもだんだん種っこ切れできだど。
 孫達せがむし、あと、なにをしたらいいか、お爺さんもこまってしまっだど。

 唄(うた)っこもしらねいし、踊りっこもしらねいし、考えに考えて、仕方(しかた)ねぐフンドシをはずしだど。そして、ぽろんと出しで、
 「ほら、天狗(てんぐ)の面だ、天狗の面だ、ドドンスコドン。天狗の面だ、天狗の面だ、ドドンスコドン」
と、跳びまわっだど。
 孫達、大喜びしだど。
 
天狗とお獅子挿絵:かわさき えり

 次の日は、お婆さんが孫達と留守番をしだど。
 したっきゃ、孫達、
 「婆さんも、天狗の面やって呉(け)ろ」
て、せがんだど。お婆さん、きょとんとしでいだど。
 「天狗の面て、なんだ」
て、そのわけを聞いたお婆さんが、
 「女のできないことを教えたりすて、爺さんもこまった人だ」
と、こぼしながら、仕方ねぐ腰巻っこの前を開いだど。そして、
 「ほら、お獅子(しし)パクパク。お獅子パクパク」
と踊っだど。
 孫達、手をたたいて喜んだと。

  どんとはらい。

「天狗とお獅子」のみんなの声

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天狗とお獅子(てんぐとおしし)

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