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なすびときゅうりのすもうけんぶつ
『ナスビとキュウリの相撲見物』

― 埼玉県 ―
再話 六渡 邦昭
語り 井上 瑤
提供 フジパン株式会社

 むかし、むかし。
 あるところにナスビとキュウリがあった。
 ナスビとキュウリは誘(さそ)いあって、大相撲(おおずもう)を見に行ったと。
 テケテケテン、テケテケテンと太鼓(たいこ)が鳴(な)り、土産物屋(みやげものや)もあって大にぎわいだ。

ナスビとキュウリの相撲見物挿絵:かわさき えり
 ナスビとキュウリはワクワクしながら木戸(きど)をくぐろうとした。すると木戸番(ばん)が、ナスビに、
 「お前はだめだ、帰れ」
と言うて入れてくれない。キュウリだけ入れたと。

 ナスビが怒(おこ)って、
 「おんなじ畑でとれた野菜(やさい)なのに、なんで俺(おれ)だけが入れないんだ」
と言った。そしたら木戸番が、
 「キュウリの酢(す)もみ(相撲見)というのはあるけど、ナスビの酢もみ(相撲見)というのは聞いたことがない」
 こう言うた。ナスビは、
 「そういえば、そうだな」
と言うて、帰ったと。

  おしまいチャンチャン。

ナスビとキュウリの相撲見物挿絵:かわさき えり

埼玉県
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